『スケルトン イン ザ クローゼット』〜「別にあたし」っていう女の子。

ちょっと硬い本とは別に、コミックについての投稿も、こちらのブログでしていこうかなと思い立ちました。

好きな少女マンガ家さんのひとりが、岩元ナオさんです。一見、わりとほんわかゆるいストーリーに見えるのですが、キャラもひとりひとり素敵で、ユニークな設定も良くて、人間関係の、「ここ!」というところの展開やセリフに、ぐっと気持ちを掴まれます。

初期の頃の作品を見て好きになって、その後の作品のこともずっと好きだなと思ってきました。



その頃からずっと好きなのが、『スケルトン イン ザ クローゼット』。

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思春期の少女の描き方が、特に、すごく好きです。15歳の野花ちゃんの、お金には不自由しないけれど、お母さんの愛情が、何かずれてる暮らし。

「こないだだって 
スキヤキするって 
買い物出かけて 
夜10時に帰ってきたと思ったら 
珍しいからって 
隣の県まで 
イルカの肉 
買いに行ってたのよ

こっちは 
腹へらして 
待ってるってのに 
近所のスーパーで 
牛 買ってこいってのよ

あたし 
高校入ったら 
3年間で 
お金ためて 
絶対 
家 出るのよ

そんで 
海の見える 
小高い丘の上の 
バラ園のある洋館で 
王子様とひっそり 
暮らすの

あー早く 
大人に 
なりたい」

野花ちゃんの、こういうセリフ、それを聞く年上いとこの男子陣の反応・・・、この空気感が好きです。

実はひとりひとりに、わりと切実な人生のドラマがあって、みんなでこぼこしているけれど、ハートフル。「スケルトンイン・ザ・クローゼット」(たんすの中の骸骨)というのは、英語で「他人に見られたくない子ども」という意味だとも、作中で語られます。

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恋の話だけでないのも魅力なのですが、恋の描き方も好き。

「「恋」を 
そうやって  
つまんないものに 
しちゃダメよ」

「あとは できるだけ
そばにいて

あの人が階段から
落ちそうになったら
助けてあげれば
いいだけじゃない」

自分の中の何かの思いと重ねながら、まっとうな恋のアドバイスをする野花ちゃん。


私が、10代の頃に、こんなマンガが読めてたら、友情や恋愛で自分がどうしたいかが、もっとよくわかっていたかもしれないなって思います。

女子としては、男の子が何かのときに自分を必要としてくれるのもすごく嬉しいけど、頑張って1人で歩いてつまずく時にそばで支えてくれるのは、大きいポイントになる気がします。大人になればなるほど。

そして・・・

「別にあたし」っていうセリフ、私もよく、未だにつぶやいてしまっていたりするし、そうやって少し頑張りすぎてる女友達たちの歯を食いしばっている姿が私は嫌いじゃないので、すごく、このお話が好きなんだと思います。

スケルトン イン ザ クローゼット (フラワーコミックス) 商品説明より

公認会計士を目指す貫一(かんいち)(24歳)のもとに突然、従妹(いとこ)の野花(のはな)(15歳)がやってきた。新人まんが家の弟・公二(こうじ)(21歳)も巻き込んで、3人のなりゆき家族生活がはじまるが…。乙女ゴコロ満載のラブリー・ファミコメ! ●収録作品/スケルトンインザクローゼット/雪みたいに降り積もる/僕の一番好きな歌青という言葉のない国から/その彼女の存在/花の名前/冬色自転車



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